超鈴音のタイムパラドックス

超鈴音(チャオ・リンシェン)は未来から来た火星人である。 

22世紀から来たネコ型ロボットがいるのだから、何も不思議なことはない。 

 

以下、かなりネタバレなので要注意。 

 

 

魔法世界(ムンドゥス・マギクス)というものがある。 

裏の世界などとも呼ぶこともある。 

こちらは表の世界だ。 

 

それは魔法の力によって作られた異界で、火星上に構築された幻想世界なのだ。 

 

それが何かによって崩壊した。 

未来での過去形であって、ネギのいる現在から見ると未来で起こることになる。 

 

崩壊と共に、魔法によって形作られていたものは消え去り、残された人間は不毛の火星に放り出されたのである。 

その後、何があったのか判らない。 

超のいた未来では、地球人と火星人(火星に残された魔法世界の人間)が長く戦争をしているのである。 

これは超にとって現実なのだ。 

 

 

もう少し超について掘り下げよう。 

超は中国的である。 

現実の中国というより、漫画に出てくる中国というところだろう。 

古韮(クーフェイ)という友達がいて、同じような訛りがある。 

中国武術も使える。 

そしてネギの子孫だともいう。 

当然、ネギ・古韮の子孫という説が出てくるが、それはまた別の話だ。 

 

超には莫大な資金があり、未来の技術(オーバーテクノロジー)がある。 

これによって茶々丸という魂を持つまでのロボットが開発され、ラブリーな衛星型巨大出力射出装置(何が射出されているのかは不明)を発明し、未来から茶々丸のアーティファクトとして送ってくる。 

 

もちろん、魔法も使える。 

火星人の未来人なのだから、惑星間移動やタイムトラベル(タイムマシン)もできる。 

これは地球でも同等のテクノロジーがあり、拮抗した戦争になっていると考えるべきだろう。 

そうでなければ戦争は終わるはずなのだから。 

 

 

それがタイムトラベルする先として選んだのが現代の地球だった。 

目的は魔法の存在を全世界に知らしめること。 

それが最も超にとって善い状況を作り出すことに繋がるのだろう。 

しかし、ネギたちによってそれは阻止され、超は未来の火星に帰っていった。 

 

なぜ、超はそんなことをしようとしたのだろうか。 

戦争の発端は、地球人が魔法を使える人間を拒絶したためだったのではないだろうか。 

中世の魔女裁判と同じである。 

 

逆に、オーバーテクノロジーがあっても魔法世界の崩壊は阻止できなかったと考えざるを得ない。 

崩壊していなければ問題はないはずなのだ。 

しかし、タイムパラドックスを生んでしまうだろう。 

 

 

と、ストーリーを追うとそういったところである。 

そこで先に書いたタイムパラドックスに至る。 

 

超の作戦は、現地球に魔法というものを知らしめることだった。 

タイムマシンが使えるのだから、タイムパラドックスも研究されているはずである。 

タイムパラドックスが起きないかなどを検討した上での作戦なのは間違いない。 

しかも効果があるから実行されたのである。 

 

これは、魔法世界が崩壊し、テクノロジーが進歩した時点でさえ、魔法世界の崩壊を食い止められないということを意味する。 

できるなら、ターニングポイントにタイムトラベルして、テクノロジーを駆使して止めればいいはずなのだ。 

それをしていない。 

 

あるいは、不都合な勢力があれば、それが始まる時点でも、あるいはその首謀者が生まれる前にでも行って、潰すなり殺すなりもできるだろう。 

「ターミネーター」である。 

相手を特定せずとも、現代の地球に茶々丸型でもT-ANK-α3(田中さん)型でも殺戮兵器として大量に送り込まれたら、簡単に壊滅させられるだろう。 

それもしていないのだ。 

 

もしかしたら、技術的には可能だが、タイムパラドックスが生じるため避けられたのかもしれない。 

現在(超のいる未来時点)に影響があることはしてはいけないのということだろうか。 

悪いことはしないということもあるのかもしれないが。 

 

 

考えてみると、超の作戦が成功した未来は存在した。 

成功した未来へネギたちは飛ばされたのである。 

そこからまた過去に戻って作戦は失敗となるのだが、成功した未来(時点)もあったのだ。 

その未来であっても、超が来ていたことになっていた。 

単に魔法を知らしめただけでは効果がなかったのかもしれないが、多重未来の線も考えられる。 

そのタイムパラドックスに対しての説明は何もなされていない。 

結果オーライで終わってしまているのだ。 

 

 

ネギは魔法世界の崩壊を食い止めるのだという。 

これからの話である。 

できるかどうかは判らない。 

 

もし、崩壊しなかった場合は、超のいる未来は起きないことになる。 

そうなると、超がタイムトラベルしてくることもなく、茶々丸もラブリーな兵器もなくなるだろう。 

これもタイムパラドックス発生である。 

 

 

作者はどう考えるだろうか。 

未来は無数に分岐し多くの未来が存在するとするだろうか。 

あるいは、過去は変えられない、何かの抵抗を受け、歴史は守られるとするだろうか。 

 

もしくは他の解決策があるのかもしれない。 

 

タイムトラベルを出した時点でタイムパラドックスをどうするか考えているだろう。 

(超の作戦が成功した未来については考えていなかったようだが・・・) 

どう回避するか、あるいはどう説明するか、それも今後に期待するところである。 


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