マンガで見て欲しいところ

まず当たり前のことも書いておこう。 

キャラが魅力的で、デッサンに狂いがないこと。 

これが第一に重要である。 

 

デフォルメもマンガでは重要だが、だからといってデッサンが狂っていいということにはならない。 

最も重要なのは目だ。 

 

丸がふたつ並び、その下に丸あるいは三角があるだけで顔に見える。 

以前、火星の石にそれがあって騒ぎになったことがある。 

木や森、炎や煙などを写真に撮ると、そういう3点がいくらでも見つかる。 

簡単に心霊写真となるだろう。 

 

ところが、少し違うだけで別人とも認識する。 

学校でも会社でもまったくそっくりな人は一卵性双生児でもなければいないと思うが、それはわずかな違いを識別しているからである。 

猿、犬、あるいは雉でも、個体を顔で識別するのはかなり難しいだろう。 

その微妙な違いは違和感となり、読む気をそぐのである。 

 

ストーリーなどは言うに及ばず。 

アイディアも重要だ。 

それらを踏まえてなお、ここを見て欲しいという部分がある。 

 

それは作者の手によらない部分であることが多い。 

 

背景だ。 

 

作者は人物のペン入れをして、アシスタントに渡す。 

ベタやトーン、効果などと共に背景も描く。 

その質はアシスタントの力量による部分もあるが、最終責任は作者にあるはずである。 

 

背景がほとんど描かれていないマンガもある。 

ギャグマンガならまだしも、ストーリーマンガなのに背景がほとんどないのはいただけない。 

そういうマンガは実際に読んでもつまらないし、意味が分からない展開も多い。 

パースが妙なものも多いが、やっと入った背景のパース(パースペクティブ)どころか、デッサンがおかしいものもあっる。 

アシの画力がないのだが、そういうアシしか使えないという作者なのかもしれない。 

 

内容が凄いと思う作品は、それなりに背景も凄い。 

 

ギャグマンガというジャンルであるはずの「こち亀(こちら葛飾区亀有公園前派出所)」は背景も凄い。 

176巻だったか・・・まあそのあたりだったと思うが、工場見学に行くという回がある。 

それは凄い! 

風景で凄いという作品は多いが、この工場は圧倒的だった。 

「Dr.スランプ」に『2度と書けない複雑なマシン』が出てくるが、それを何十倍か複雑にした背景である。 

手書きで作画したのだとしたら、どれだけの時間をかけたのだろうか。 

その回だけでも一見の価値がある。 

 

マンガを読む際に、背景もよく見て欲しい。 

トーンを貼って誤魔化しているような作品は評価を下げるべきである。 


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